HAL治療体験報告

                                                      H29年5月

ポピーの会会員 極楽トンボ

 

  会員の皆さん、HAL治療を体験してきましたので、報告します。唯、医療技術には素人ですので

  あくまでも個人の感想ですので、注意願います。

 

1.治療概要

① 治療機関;  済生会神奈川県病院

② 入院期間;  約30日間

③ HAL治療; 週二~三回 一回一時間(実治療約40分) 合計八~九回のHAL。及び

           薬物治療(ステロイドパルス、免疫グロブリン等)との併用を標準治療として奨めている。て          今回は私の希望で、HAL+リハビリ治療のみ実施しました

④ リハビリ治療;平均週六回 二時間/日 理学療法及び作業療法士による両下肢筋力強化、

           手指巧緻性訓練等

          リハビリは基本的に軽いながら筋トレに近いものでした。例えば仰向け姿勢で膝下にボール         ルをセットし、大腿四頭筋を中心に押しつぶす。或いは上腕三頭筋の鍛錬等で、筋肉への

          負担をを考えて、今迄は避けてきた内容でした。当医療機関は、「翌日に残る疲労感、筋肉痛が         無い範囲での筋肉への負荷は筋力低下を軽減で出来る」と判断しているようです。      

 

2.HAL治療の感想

HALの効果は、病院側の説明によると、「正しい歩行姿勢を再現、反復することにより、正しい歩行感覚を

活性化し、且つ股間節、膝関節、足関節及びその周りの筋力向上が期待できる」との事。でも何よりも「歩ける」「歩きたい」と考え、信じることが前提だそうです。詳細はCYBERDYNE社のホームページで確認願います。

 経験してみると、私の筋肉の動きに合わせ、HALがアシストし、膝歩行になっていたのが、完全ではないがほぼ正常な歩行が出来るのです。初回はその久し振りの「普通歩行」感覚に懐かしさを感じた程でした。

  2回目以降は、歩行距離も漸増し、其の感覚が定着していくのを感じ、HAL脱着後、暫くその残像が残り、筋力が伴っていないのに、膝を使って歩きそうになり、膝折れ転倒の危険を感じた程でした。

  又、回数を重ねると、歩行時の膝挙げが「軽く」感じることが増えてきたのは事実です。

  規定回数を終えての感想は、「残像感覚」と「膝挙げの軽さ」は在るものも、確実な効果を実感するには

  至らなかったのが率直な感想です。

 

3. HAL治療評価

① 医療サイドの評価

リハビリ科では治療初日、歩行速度、歩幅、二分間歩行距離、膝関節/股関節/足関節/の筋力、可動範囲等の測定をし、HAL治療終了後そのデータ比較を実施しました。

結果は筋力が「若干アップ」「速度,歩幅等はほぼ同じ又は僅かな改善」「大腿周径0.5cm+」で、且つ「歩行時の安定性向上」があり、総合評価は「効果あり」との事でした。

 

② 自己評価

     当初、新しい治療に対し、筋力回復への大きな期待が有りましたが、残念ながら、健常状態復帰への

     手応え迄は実感できませんでした。

     唯、歩行時の膝挙げ、座位からの立ち上がりのスムースさは、若干ながら感じました。又日々計測している    歩数が飛躍的に増加しましたが、これは「入院生活」という特殊要因を考慮すれば

     評価に迷うところです。 

     一回の治療では、期待程ではないにしろ、今後、断続的、継続的にこの治療を続ければ、

     筋力「向上」迄は無理でも「維持」に繫がるのではとの期待は確かに持ち、自己評価は

     「効果あり」ではないかと判断しました。

 

4. CPK値の変化

  治療前後でCPK値に興味深い変化が有りました。今回の治療開始直前から一年間(10回測定)の

  平均値は768U/Lでしたが、HAL訓練二回終了後が597、七回終了後が496でした。

此れは意外な変化でした。ほぼ毎日、軽いながら「筋トレ」に近い治療をすれば、上昇こそすれ、

低下は無いと推測していました。

担当医師も、「断定は出来ないが、HAL治療含め適切な運動、リハビリ等はCPKを低下させるのでは」

との事。又治験患者含め他の患者でもこの傾向は報告されているそうです。

 

5.最後に

  専門的知識もなく、暗示に掛かりやすい個人的性格に加え、新医療技術へのプラセボ 

  効果も想像できる前提での、体験報告ですので、そこは差し引いて、皆さんの今後の

  治療の参考にしていただければ幸いです。

  是非、感想、意見を聞かせて下さい。